歯科治療で用いられるセラミックは、単に美しいだけでなく、生体親和性や機能性、耐久性も高い素材です。それだけに近年は、むし歯治療で削った歯をセラミックで補う患者様が増えています。
ただし、セラミックも決して万能ではないことから、この素材に対する誤解があると、セラミック治療で後悔してしまうこともあり、十分な注意が必要です。
そこで今回は、セラミック治療で後悔しないために知っておきたい6つのことを新宿区のしんみ歯科高田馬場がわかりやすく解説をします。
目次
■セラミック治療で後悔しないためのポイント
むし歯治療や審美治療でセラミックを選択する予定の方は、後悔しないためにも以下に挙げる6つのポイントに留意してください。
◎強度は高いが割れることがある
セラミックの特長のひとつに「強度が高い」という点があります。これ自体は決して間違いではなく、プラスチックであるコンポジットレジンよりも壊れにくいです。ただ、食器に使われているセラミックと同様、極端に強い衝撃が加わると割れてしまうことがあるのです。
具体的には、ナッツ類やおせんべいを思い切り強く噛んだり、歯ぎしり・食いしばりの習慣があったりすると、セラミック製の詰め物・被せ物が割れる可能性が出てきます。
金属に匹敵する硬さを備えたジルコニアに関しては、割れることはあまりありませんが、オールセラミックやハイブリッドセラミックなどは、割れるリスクを伴うことを知っておきましょう。
◎歯の切削量が多くなることがある
詰め物・被せ物を装着する際には、少なからず歯質を削らなければなりません。その際、強度が極めて高い銀歯を選択すると、歯を削る量を最小限に抑えられますが、セラミックの場合は上述した通り、割れるリスクを伴うため、切削量が銀歯よりも少し多くなります。深いむし歯でセラミックを用いた治療の場合は、抜髄および根管治療が必要となるかもしれませんので、この点は事前に正しく理解しておく必要があります。
◎永久的に使えるわけではない
セラミックは、経年的な摩耗や変色が起こりにくく、治療から長期間経っても見た目に大きな変化が現れないことが多いです。しかし、セラミック製の詰め物や被せ物を装着した歯質は、時間の経過とともに状態が変化していきます。
また、セラミックの詰め物や被せ物が割れてしまうこともあるため、永久的に使える装置ではないという点も理解しておかなければなりません。一般的なセラミック治療は、10~15年程度、持つと言われています。患者様のケアの状況が良く、定期的なメンテナンスを継続していれば、さらに長い間使い続けることもできるのです。
◎むし歯が再発することがある
すべての詰め物・被せ物には、むし歯が再発するリスクを伴います。専門的には、二次う蝕(にじうしょく)と呼ばれるもので、歯質との適合性が高いセラミックも例外ではありません。セラミックは、銀歯やレジン歯と比較するとむし歯が再発しにくいですが、リスクは0ではありませんので、適切なセルフケアを心掛けましょう。
◎保険が適用されず、費用が高くなる
セラミック治療は、銀歯やレジン歯による治療と比較すると、2つの観点から費用が高くなりがちです。
1つ目は、健康保険が適用されない点で、セラミック治療は原則として自費診療となります。銀歯なら3割負担で済むところをセラミックの場合は10割負担しなければなりません。
2つ目は、セラミック自体が高額であり、歯科医師や歯科技工士には高い技術と知識が求められる点です。こうしたことから、セラミック治療の費用は数万円から数十万円に及ぶのが一般的です。
◎ホワイトニングとの順番には注意が必要
セラミック治療を選択する患者様は、口元の審美性への関心が高く、ホワイトニングを併用する方もいらっしゃいます。そこで注意しなければならないのがホワイトニングとセラミック治療の順番です。
セラミックは、天然歯の色調・光沢・透明感を忠実に再現できる素材ですが、ホワイトニングで白くすることはできません。ホワイトニングで漂白できるのは、天然歯だけなのです。
そのためセラミック治療した後にホワイトニングすると、セラミック歯だけ不自然な色となってしまうことから、この2つを併用する場合は歯科医師に相談し、順番を考慮してもらいましょう。
■まとめ
今回は、セラミック治療で後悔しないために知っておきたい6つのポイントを新宿区のしんみ歯科高田馬場が解説しました。セラミックは審美性だけでなく、強度にも優れた素材ですが、極端に強い力がかかると割れることがあります。
また、一生涯持つわけではなく、むし歯の再発リスクも伴う点に注意しましょう。そんなセラミック治療についてもっと詳しく知りたい、不安や疑問に感じる点を解消してから治療を受けたいという方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。