根管治療と聞くと、「長い」「痛い」「終わらない」など、ネガティブなイメージが先行してしまう方もいらっしゃるかと思います。確かに根管治療は、通常のむし歯治療よりも複雑で、難易度も高いことから、治療期間も長くなりやすいです。

通院回数も比較的多くなることから、不安に感じている方もいらっしゃるかと思います。そこで今回は、根管治療の流れや通院回数、治療期間について解説します。

▼自費の根管治療は期間が短いって本当？

根管治療は、その他の歯科治療と同様、保険と自費に分かれています。自費診療なら保険診療では使えない機材や薬剤を活用できたり、1回の診療時間を長くとったりできるため、通院回数が少なく、治療期間も短くすることが可能です。

何より自費診療なら根管治療の成功率を高められるので、治療の質や精度を追求する方にはメリットの多い治療法なのです。

▼根管治療の回数

根管治療の回数は、治療対象となる歯の種類や状態、診療形態によって大きく変わります。

まず、保険診療に関しては、根管の数が少ない前歯であれば2～3回程度、根管の数が多い奥歯では、4～5回程度の治療回数が必要となります。重症度の高い症例では、6～8回、場合によってはそれ以上の治療回数が必要となることも珍しくありません。

自費診療の根管治療は、1回の診療時間が長く、さまざまな薬剤や機材を使えることから、1～3回程度で終わることが多いです。重症例になると、もう少し多い回数がかかるかもしれませんが、いずれにしても保険診療の根管治療の回数よりは少なくなります。

▼根管治療の期間

保険診療の根管治療は、1週間に1回のペースで進めて行くのが一般的です。つまり、軽症なら数週間、重症例では数ヵ月の治療期間を要することも。自費診療の場合は、短期集中的に根管治療を行うため、数日で終わることも珍しくありません。

▼根管治療の流れ（自費診療）

続いては、根管治療の流れを解説します。ここでは新宿区のしんみ歯科高田馬場における自費の精密根管治療の流れを紹介します。

【STEP1】検査・診断

通常のむし歯は、患部を肉眼で確認できますが、根管内の状態は画像検査を行わなければ確認できません。具体的には、レントゲン撮影とCT撮影を行って、根管の数や位置関係、曲がり具合などを精密に検査した上で診断を下します。

この時、3次元的な画像が得られるCT撮影が大きな力を発揮します。その他、口腔内の検査もひと通り実施します。

【STEP2】治療計画の説明

検査によって得られた情報を元に診断を下し、治療計画を立てます。根管治療の手順は少し複雑になりますが、わかりやすい言葉で丁寧に説明し、患者様の疑問点や不安に感じる点を解消します。治療計画に同意いただけましたら、いよいよ治療のスタートです。

【STEP3】ラバーダム防湿

根管治療を成功に導く上で、ラバーダム防湿の適応は重要な役割を果たします。治療する歯以外をゴム製のシートを覆う処置で、根管治療時の無菌的な環境を確立できるからです。

つまり、ラバーダム防湿を行えば、治療中に患者様の唾液が根管内へと侵入するのを防ぐことができます。ちなみにラバーダム防湿は、基本的には健康保険が適用されないため、保険の根管治療では、根管内が唾液によって汚染されるリスクがあります。

【STEP4】根管治療の開始

始めに、むし歯菌に汚染された歯質をドリルで削り取り、歯の神経を抜きます。その後はリーマーやファイルなどの器具を使って根管を拡大・形成しながら、汚染物質を取り除いていきます。

適宜、薬剤で殺菌・消毒して、化学的な洗浄も進めます。自費診療の場合は、医療用レーザーを使って、効率良く殺菌することが可能です。

【STEP5】根管充填

根管内の清掃が完了したら、専用の薬剤を充填して、細菌が再び繁殖するのを防ぎます。保険診療ではガッタパーチャと呼ばれる樹脂で封鎖します。

自費診療では、殺菌作用のあるMTAセメントを併用できます。MTAセメントは膨張する性質を備えているため、根管内を隙間なく埋めることが可能です。

【STEP6】被せ物の製作・装着

最後は、土台（コア）を作って型取りを行い、被せ物を製作します。被せ物は1週間程度で完成するので、翌週には装着できることが多いです。被せ物を装着し、微調整を加えたら治療は終了です。

▼まとめ

今回は、根管治療の通院回数や期間、流れについて解説しました。根管治療の通院回数や期間は、患者様の歯の状態によって大きく異なります。

また、保険と自費でも根管治療の回数と期間は変わってくるため、とにかく短期間で終わらせたい、再治療にならないような根管治療を受けたいという方には、後者がメリットの多い治療法になります。

新宿区のしんみ歯科高田馬場では、患者様の大切な歯を残すために、先進の医療機器・薬剤を用いた精密根管治療を行っておりますので、根管治療を検討している方はいつでもお気軽にご相談ください。