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【根管治療】保険と自費の治療の違い 自費の方が成功率は高い?


進行したむし歯で必要となる根管治療は、かけがえのない天然歯を残す最後の手段です。根管治療が失敗すれば、歯を抜く場合もあり、ブリッジ入れ歯、インプラントなどによる補綴治療が必要となります。


それだけに根管治療を保険診療で行うか、あるいは自費診療で行うかは、慎重に判断しなければなりません。そこで今回は、保険と自費の違いにフォーカスして、根管治療を詳しく解説します。


▼根管治療は保険と自費で成功率が違う?


はじめに、根管治療の一般的な成功率について紹介します。冒頭でも述べたように、根管治療は歯を残すための最後の手段です。


結論から言うと、根管治療の成功率は自費診療の方が高くなっています。具体的に自費診療の根管治療は、90%程度の確率で成功すると言われています。


一方、日本の保険診療における根管治療の成功率は、30~40%程度にとどまります。意外と低い…?と驚かれる方も少なくないかと思いますが、保険診療ではさまざまな制限がかかるため、精密な根管治療が難しくなっているのです。


ただし、成功率が低いからといって、日本の根管治療が絶対的に間違っているというわけではありませんので、その点はご注意ください。


そもそも根管治療は難易度の高い歯科治療なので、適切な方法で処置を施しても病変を取り残したり、十分な充填が行えなかったりする場合があるのも現状です。詳細については、後段で解説します。


▼保険と自費の根管治療の違いについて


保険と自費の根管治療にはどのような違いがあるのか、ここでは8つのポイントから両者を違いを解説していきます。


【ポイント1】歯の神経への処置

保険の根管治療では、歯の神経を全て除去するのが原則となります。一方、自費の根管治療では、感染した部分のみの神経を除去することも可能です。歯髄保存療法を適応することで、歯の感覚を残せるとともに、歯の神経を抜く処置によって歯が脆くなるのも防げます。


【ポイント2】治療時間

保険の根管治療では、1回の処置にかけられる時間が15~30分程度に限られています。自費の根管治療であれば、1回あたり60~90分程度かけることもできます。


【ポイント3】通院回数

1回の治療時間が短いと、完治までかかる期間も長くなります。そのため保険の根管治療は7~8回程度の通院が必要となります。短期間で集中的に処置できる自費の根管治療なら、1~3回の通院で済むことが多いです。


※根管治療を行う歯によって

通院回数はに差があります。


【ポイント4】治療の精度

根管治療の精度は、歯科医師の視野に大きく左右されます。治療中の視野を肉眼の25倍程度まで拡大できるマイクロスコープを使用すれば、歯科医師が目で確認しながら根管の汚れを除去できるからです。


保険の根管治療では、基本的にマイクロスコープを使用できないため、病変を取り残してしまったり、根管の十分な形成・拡大が行えなかったりします。


【ポイント5】使用できる器具

保険の根管治療では、硬くて丈夫なステンレススチールファイルでの処置が基本となります。そのため歯科医師が力の加減を誤ると、根管を傷つけたり、穴を開けたりするトラブルが発生する場合があります。


柔軟性の高いニッケルチタンファイルや電動切削器を使える自費の根管治療なら、こうしたトラブルは防ぎやすいです。


【ポイント6】根管洗浄・消毒の方法

保険の根管治療は、次亜塩素酸ナトリウムによる洗浄・消毒のみとなりますが、自費診療の場合は、高周波通電が起こす熱による洗浄・消毒も可能です。


【ポイント7】根管充填の材料

根管内の清掃が完了したら、最後に根管充填を行います。根管充填は、再感染を防ぐために行うもので、そこに詰める薬剤の密封性や殺菌性が重要となります。


残念ながら保険の根管治療では、殺菌性や密封性が劣る、経年的な劣化が起こりやすいガッタパーチャという樹脂で充填するため、治療後の再発してしまう場合も。


自費の根管治療では、殺菌性・密封性に優れたMTAセメントなど、それぞれの症例に合った材料を選択できるため、再発リスクも抑えられます。


【ポイント8】根管治療にかかる費用

健康保険が適用される根管治療では、費用負担が1~3割にとどまります。健康保険が適用されない根管治療では、費用が全額自己負担となるため、患者様の出費も自ずと多くなります。


▼まとめ


今回は、保険診療と自費診療の根管治療には、どのような違いがあるのかについて解説しました。


成功率の違いでみると、自費診療の方が優れているように見えますが、経済面を重視する場合は、保険診療が優れています。そのため根管治療の診療形態を選択する際には、あらかじめ優先事項を整理しておくことが大切です。


どちらの治療が患者様にとってメリットになるかは、患者様によって異なります。ご不明な点がある方は、お気軽に新宿区のしんみ歯科高田馬場までご相談ください。


しんみ歯科 高田馬場
歯科医師
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